2012年12月20日木曜日

高専生の留学はループする

こんばんは!Kosen Advent Calendar 20日目担当は奈良高専のホットマンです!
昨日のうなすけさんの「来た時よりも美しく」、僕もシェアハウスで集団生活を経験していたので共感するところが多いです。シドニーのシェアハウスは度を超す不潔さでストレスがマッハでしたね(汗

さて、僕のテーマは留学についてです。
厳密には留学の名を騙ったモラトリアムのことです(漂いだす不穏な空気…
今夜は僕のオーストラリア留学(笑)体験と絡めて、高専生の留学について一つお話したいと思います。

fig.1 オーストラリア・ゴールドコーストにて

晴れて僕が専攻科に合格した2011年の初夏、僕は重い五月病を患っていました(白目
5年連れ添ったクラスメートのほとんどと離別したこと、6年目のキャンパスへの飽き、無駄に高まった意識に対して成果が得られないことへの失望感などなどが原因でした。そしてそんな折、和歌山の加太という街の、海が見える露天風呂に浸かりながら僕は思ったのです、
「ああそうだ、海外に行こう。」、と。

ワーキングホリデーという制度をご存知でしょうか。
ワーキングホリデー(以下、ワーホリ)とは、青年同士の国際交流を盛んにするため、いくつかの国と国の間で設けられている渡航制度のことです。この制度は18歳から30歳までの年齢制限があるものの、一般的な観光ビザでは滞在できる期間が最大3ヶ月程度であるのに対し、この制度で発行されるビザは1年もの滞在を許可されます。その上アルバイトなど就労することもできるので、貯金が少なくても長期滞在できるナイスな制度なのです。

僕は昨年10月からこのワーホリビザを使ってオーストラリアに渡りました。
重症化した五月病が待ったなし療養を求めていたので、通常半年から1年かける準備を3ヶ月で終わらせて、単身渡豪したのです。この時、下調べすっ飛ばしたことが後から効いてきます。
オーストラリアではサーフィンをしたり、パーティをしたり結構なリア充体験をすることができました。そして、何より得られたものの中で大きかったのがプログラミング能力の向上でした。オーストラリアで1年、あらゆる課題やしがらみから解放されてひたすらプログラムを書き続けた結果、メキメキと実力が伸びました。復学した現在では、学生をしながら某企業でプログラミング戦士として雇われたり、個人でお仕事請け負ったりできるようになりました。渡航前はプログラミングに劣等感を抱いていたので、これはとても嬉しい変化です。

その一方で、僕は重大なミスを犯していました。
それは復学後に明らかになりました。

『通年科目の単位の合算ができない。』

そうです。実は10月に休学すると、通年科目の前期分と、翌年10月から復学して取得する後期分の単位をマージできないのです。つまり、僕は去年の通年科目を復学した今年も受けられず、来年受け直さなければならないのです。
そしてこのミスは波及します。僕の通う専攻科にはセミナーと呼ばれる1・2年合同の通年科目があります。察しの良い方はもう気づかれたと思います。即ち、僕は現在専攻科2年目ですが、来年専攻科1年のセミナーを受け直し、再来年専攻科2年のセミナーを取らなければならないため、合計4年専攻科に通わなければならなくなったのです。

fig.2 ホットマンの進級過程

僕を残して同級生や一個下の後輩達が先に卒業していくのです。さながら永久に歳をとらず、自分以外の者がみんな死に、最後には一人になってしまう不老不死になった心境です。
あるいは、通常2年で卒業できる専攻科を僕はまだ2年以上通わなければならないのです。残りの年月だけ考えれば、専攻科入学を控えた本科5年生と同じ。僕は2年近く前に本科は卒業したはずです。これは流行りもののループものなのか!?台本はどこだよオイ!!?

まぁ上の問題については実は渡航前に指摘されていたのですが、当時の精神状態では乗りかかった船から降りるだけの理由と認識できず、また何か困ったことになっても未来の俺が何とかしてくれるだろうと思っていたので強行してしまいました。未来の俺からすればいい迷惑です(^ω^#)
でもいいでしょう。大学と比較してお安い授業料(年間25万円)を払って、もう一度モラトリアムを愉しもうと思います。まだまだ身につけなければならない技術はたくさん残っていることですし、前向きに捉えることにします。(ちなみに最後の1年の授業料は自分で働いて払うことにしています。

何にしても、留学は良い経験になります。1年好きなことを自由に勉強できることは後の学業・研究に活きてきます。全てのことを自分でしなければならないので、実家暮らしのアマちゃんの僕が生活力を養うには丁度いい機会でもありました。また僕は武者修行に明け暮れていたからなかったけれど、ステキな出会いもあるかもしれません。

ですが、高専において休学する時期だけは、4月からにしておいた方がいいでしょう。
読了ありがとうございました。明日はむらやまさんです!